デジタルホームの動向・新製品・新コンセプト機器
ホームネットワーク(家庭内LAN)を活用した デジタルホームシステムでは、 マルチメディアコンテンツを保存してあるパソコン、LAN-HDD(NAS)、BD・DVD・HDDレコーダ などのコンテンツサーバ機器と、コンテンツを再生・利用するネットワークメディアプレーヤ、 デジタルTVなどのクライアント機器を、家庭内LANで接続してコンテンツを離れた場所でも利用 できるようにするのが基本的な構造となっています。
このようなコンテンツを提供するサーバとコンテンツを利用するクライアント機器の関係の中で、 ある特徴的な機能にスポットライトを当てた機器が製品化されて、 デジタルホームの方向性に影響をもたらすきっかけとなりました。
以下では、このような最初の製品をピックアップして紹介します
シンクライアント・システム
シンクライアント・システムは、企業などで利用されているサーバ・クライアントシステムの一形態であり、 社員などのユーザが使用するコンピュータ(クライアント)は必要最小限の機能だけ持たせたものにして、 主要な機能や処理などのほとんどをサーバ装置に集中させ、 アプリケーションやファイル管理を実行させるようにしたシステムです。 このようなシステムでは、ユーザが使用するクライアントコンピュータ(シンクライアント、 Thin Client)は表示と入力をする機能を持った低価格なものでよく、 アプリケーションソフトのインストールやバージョンアップ、 ハードウェアのメンテナンスなどはサーバ側ですればよいので、運用・管理の手間・コストを削減することができます。 また、サーバ側でアプリケーションやファイルを一元管理するので、 セキュリティの向上をはかることができます。
            このようなシンクライアントの仕組みを家庭に持ち込んだ製品としては、
            2008年5月にNECから発売されたLuiシステムがあります。
            サーバであるLui SXとクライアントとなるPCリモータで構成されており、
            PCリモータを用いて家庭内や外部からLui SXを操作したり、コンテンツを利用したりする
            ことができます。特に、特徴的な機能は「PCオンデマンド」です。Lui SXの表示画面を圧縮して、
            そのままPCリモータに通信して表示しますので、Lui SXをリモート操作することができます。
            つまり、高性能なLui SXを離れた場所でも使用することができるようになります。
            また、Lui SXはDLNA、DTCP-IPに対応していますので、
            DLNA対応のネットワークメディアプレーヤ、デジタルTV、
            パソコンなどから各種コンテンツを利用することもできます。
| メーカー、製品名・型番 | 商品情報 | 概 要 | 
|---|---|---|
| NEC  | 
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| NEC  | 
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                       Lui SXの画面をそのままPCリモータに配信(リモートデスクトップ機能) | 
| NEC  | 
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                       Lui SXの画面をそのままPCリモータに配信(リモートデスクトップ機能) | 
デジタルフォトフレーム(デジタル写真立て)
家族写真、旅行写真、記念写真などをプリントして、気に入った写真を写真立てに入れて飾っている場合、 写真立ての写真はいつも同じものになっており、変えようとしたり増やしたりしようとしても、 手間やスペースの問題などでそのままにしていることが多いようです。 そこで、このような写真立てを液晶パネル等を用いた小型ディスプレイにして、 表示する写真を簡単に変えられるようにしたのがデジタル写真立てです。 これまでは、SDメモリカード、コンパクトフラッシュ、あるいは、 内蔵メモリに入れた静止画ファイルをスライドショーのように表示するだけでしたが、 更に、無線LANを内蔵し、DLNAに対応した便利な使い方ができる高機能なデジタル写真立てが製品化されました。
ソニー、バッファローから発売されているデジタルフォトフレームは無線LAN機能を備えており、 DLNAにも対応していますので、 家庭内LANに接続されたパソコンやLAN-HDD(NAS)などに保存された画像を表示することができます。 この時、音楽コンテンツも内蔵のスピーカーで同時に聞くことができます。 更に、Googleのフォトアルバム(Picasaウェブアルバム)や フォト蔵、 Flickrなどのインターネットオンラインフォトアルバムサービスを使って友だちと写真をシェアしたり、 ニュースや天気予報なども同時に表示することができますので、 机や棚などに飾っておくだけの使い方ではなくて、便利な利用法がいろいろと考えられます。
| メーカー、製品名・型番 | 商品情報 | 概 要 | 
|---|---|---|
| ソニー  | 
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| Buffalo  | 
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DLNA対応携帯電話
            DLNAに対応するスマートフォンが広く普及するようになっていますが、当初はDLNA対応の携帯電話がまず発売されました。
            
            PDA(Personal Data Assistant)の中でDLNAに対応した機器としては、ソフトバンクの携帯電話「Nokia N82」
            があります。無線LAN経由で他のDLNA機器に保存されたコンテンツにアクセスするクライアント機能と、
            N82に保存されている写真などをホームネットワーク上に公開できるサーバ機能を持っています。
            Nokiaからは他にもDLNA対応の携帯電話が数種類発売されていますが、
            日本ではN82がソフトバンクのグローバルモデルとして発売されています。
| メーカー、製品名・型番 | 商品情報 | 概 要 | 
|---|---|---|
| Nokia  | 
 
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            Nokia N82 | 
TV放送丸録りサーバ
            TV放送を録画する場合は、目的の番組を決めてEPG等で録画予約したり、
            番組を見ている際に録画を開始したりするのが一般的ですが、録画予約を忘れたり、
            番組放送があるのを知らなかったりして、見逃してしまうことがあります。
            そこで、複数の放送局のTV放送を同時に、数日間連続してHDDに録画・保存してしまうことにより、
            録画をし忘れても過去のTV放送をいつでも再生・視聴できるようにするのがTV放送丸録りサーバです。
            
            このような機能を持つデジタルテレビ(REGZAのZG2シリーズ等)やレグザサーバー(DBR-M190/M180等)が発売されて、
            同時多チャンネル録画ができるようになりましたが、
            当初はTV放送丸録りサーバの価格が高いため家庭での利用は困難でした。
            しかし、家庭向けを想定した製品「
            Spider zero
            」の発売が株式会社PTPから発表されています(2008年6月20日)。
            プレス リリース
| メーカー、製品名・型番 | 商品情報 | 概 要 | 
|---|---|---|
| PTP | 
 
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            また、IO DATAから発売されたPC用デジタル放送チューナーを使用すると、
            最大8台のチューナーを1台のパソコンに接続することで、地上デジタル放送の8ch同時録画の可能性が示され、
            TV放送丸録りと同じような機能を実現できるようになりました。
            PC用デジタル放送チューナーの詳細については、「
            デジタル放送チューナー」のページをご覧ください。
| メーカー、製品名・型番 | 商品情報 | 概 要 | 
|---|---|---|
| IO DATA  | 
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ネットワークTVボックス
インターネット上では様々なサービスプロバイダがVOD(ビデオ・オン・デマンド) のサービスを行っていますが、VODサービスを利用するには専用のSTB(セットトップボックス) をTVに接続して使用するか、STB機能を内蔵したデジタルTVを使用する必要があります。 そこで、STB機能がないデジタルTVやアナログTVでも、 複数のVODサービスを利用できるようにするのがネットワークTVボックスです。
ソニーから発売されたネットワークTVボックス「BRX-NT1」は、Eyebio、アクトビラ、GYAO、 GYAO NEXT、クラビットアリーナ、G-CLUSTERなどのVODサービスを1台で全て利用することができます。
 
 
 

 
