有線LANルーター(有線ルータ)とは
-使い方と製品例-

有線LANルーター(有線ルータ)は有線LAN方式によるホームネットワークを構成する中心装置であり、 パソコン・周辺機器・デジタル家電などの端末機器をLANケーブルを用いてつなぐことにより、 端末機器をインターネットに接続したり、端末機器どうしで通信を行うことができます。
以下に掲載しました図1の構成例のように、 機器をつなぐための接続ポート(端子)として、インターネットに接続するための装置(モデムなど)をつなぐWANポート(1個)と、 端末機器をつなぐLANポートを複数個(通常は4個程度)備えており、 LANポートの数が足りない場合はHUB(ハブ)を追加接続してLANポート数を増やすことができます。

有線LANルーター製品はどのような有線LAN規格(IEEE802.3。通称はイーサネット)に対応しているかによって次のような2タイプに分けられます。
 ① 通信速度が100Mpbsと10Mbpsの両者の規格に対応
 ② 通信速度が1000Mbps、100Mpbs、10Mbpsの3種の規格に対応
ギガビット(1000Mbps)対応の製品は、端末機器間の実効通信速度が数100Mbpsと大きいので、 LANポートにNAS(LAN接続HDD)とパソコンと接続すれば大容量のファイルデータのやり取りを短時間で行えるようになります。

また、有線LANルーターの便利な使い方としてはリモートアクセス機能があります。 これはインターネットを介して離れた場所から自宅のホームネットワークにアクセスして、自宅のパソコンを遠隔操作したり、 ファイルデータのダウンロードやアップロードなどが行える機能です。 外出先からパソコンやスマートフォン・タブレットなどを用いて自宅のパソコンやNASと連携できるようになります。

以下では、
 ・有線LANルーターの特徴と使い方
 ・有線LANルーターの製品例
について紹介します。

図1 有線LANルーターを用いたホームネットワークの構成例

有線LANルーターを用いたホームネットワークの構成例


<参考情報>無線LANルーターを混在して使用する場合
有線LANルーターを用いたホームネットワークに無線LANルーターを接続して無線LAN機器も通信できるようにする場合は、 無線LANルーターのルーター機能をOFFにして有線LANルーターのルーター機能だけを利用するようにします。
この時、無線LANルーターは無線LAN機器(子機)を電波でつなぐためのアクセスポイント(親機)として機能することになります。






有線LANルーターの特徴と使い方

有線LANを構成するための中心機器である有線LANルーターと他の関連機器との接続例を以下の図2に掲載しました。
各端末機器はWANポートを介してインターネットにアクセスしたり、LANポートに接続された端末機器どうしでも通信を行うことができますが、 このような働きを実現するために有線LANルーターは次のような主要機能を備えています。
 ・ルータ機能
 ・DHCP機能
 ・HUB機能

ルータ機能は有線LANルーターに接続されている端末機器を外部のインターネット回線に接続したり、 端末機器間でお互いに通信できるようにする機能です。 有線LANルーターのIPアドレスは「192.168.**.1」のように最後の数値が1になりますが、 他の端末機器は2以上の異なる数値となります。このIPアドレスを元に各機器が互いに通信できるようにコントロールします。
なお、**の数値は有線LANルーター製品によって変わりますが、接続されているパソコン等のIPアドレスで調べられます。 IPアドレスについては、「ホームネットワークの解析ツール(1)」のページを参照してください。
DHCP機能は接続されている端末機器を区別するためのIPアドレスを各機器に割り振る働きです。 通常はルーターが自動で割り振りますが、自分で各機器にIPアドレスを割り振ることもできます。
HUB機能は端末機器を集線して各機器からの通信信号を他の機器にスイッチングして配信する機能です。 有線ルータには機器を接続するためのLANポート(接続端子)が複数(4ポート程度)設けられていますが、 このポートの数が足りない場合は、以下の接続例の図2のようにHUB装置を追加接続してポート数を増やすことができます。

次に、端末機器がインターネットを介して外部の機器と通信する際の機能として、
 ・リモートアクセス
 ・ダイナミックDNSサービス
などが備えられています。
リモートアクセスはインターネットを介して外部から自宅のホームネットワークに接続できる機能です。 リモートデスクトップによる自宅パソコンの遠隔操作やファイルデータのダウンロード/アップロードなどが行えるようになります。 リモートアクセスに対応している有線LANルーターはPPTPサーバー機能(VPN)を備えています。
ダイナミックDNSサービスは、有線LANルーターのメーカーやインターネットサービスプロバイダー(ISP)が提供しており、 自宅のパソコン等をサーバーとして使用した場合にこれを公開することができます。 また、自宅のネットワークカメラを外出先から見たり操作するのにも利用されます。 DNSはDomain Name System(ドメインネームシステム)の略称です。 FTTHやADSLなどによりインターネット接続する際には、自宅のルーターにグローバルIPアドレスが動的に割り当てられますが、 これが変更されることがあるのでDNSサーバーに登録することにより、一定のドメイン名(ホスト名)でアクセスができるようにしています。

また、その他の機能としては、
 ・ファイアウォール機能
 ・省電力機能
などがあります。
ファイアウォール機能はインターネット回線からの不正アクセスを検出・防止する働きです。 ホームネットワーク(家庭内LAN)のセキュリティを向上することができます。
省電力機能は、使用していないLANポートを自動的に判別して電力供給を抑えたり、 端末機器までのLANケーブルの長さによって電力供給を調整する働きです。

図2 LANケーブルを使用して各機器を接続

LANケーブルを使用して各機器を接続




有線LANルーターの製品例

家庭用の有線LANルーター製品は、Buffalo、IO DATA等の周辺機器メーカーから発売されており、 高速通信が可能なギガビット(1000Mbps)対応製品と100M/10Mbps対応の製品があります。
以下に、主な製品例を掲載しました。

Buffaloの「BHR-4GRV2」は有線LANルーターとしての機能に加えて、接続した外付けのUSB-HDDをNASとして利用できる機能も備えています。 また、USBメモリやシリコンディスク、カードリーダー(SDカード等)もつなげられるのでホームサーバー(メディアサーバー) として利用できるようになります。 パソコン等に保存してあるファイルデータなどを共有利用する場合は、このようなNAS機能を備えている製品を購入しておくと役に立ちます。
また、ほとんどの製品がダイナミックDNSサービスに対応しているので、 外出先などの外部から家庭内のパソコンやNASのファイルを利用できるようになります。

有線LANルーターの製品例

メーカー、製品名・型番 商品情報 概 要
Buffalo
BHR-4GRV2
有線ルータ(Buffalo)


価格、口コミ

BHR-4GRV2

ギガビット対応、
4ポート、
FTPスループット 最大839Mbps、
リモートアクセス(VPN)機能、
ダイナミックDNSサービス、
簡易NAS機能、
メディアサーバー機能、
Wake On LAN対応、
ファイアウォール機能(SPI)、
パケットフィルタリング
BUFFALO
BBR-4HG
有線ルータ(BUFFALO)


価格、口コミ

BBR-4HG

100/10Mイーサネット対応、
4ポート、
最大スループット 約98.7Mbps、
セキュリティモデル
ダイナミックDNSサービス
ファイアウォール機能
BUFFALO
BBR-4MG
有線ルータ(BUFFALO)


価格、口コミ

BBR-4MG

100/10Mイーサネット対応、
4ポート、
最大スループット 約83.5Mbps、
エントリーモデル
ダイナミックDNSサービス
ファイアウォール機能
IO DATA
ETG2-R
有線ルータ(IO DATA)


価格、口コミ

ETG2-R

ギガビット対応、
4ポート、
FTPスループット 最大880Mbps、
ダイナミックDNSサービス
(「iobb.net」が無料で利用できる)、
IPv6パススルー搭載、
ファイアウォール(SPI)、
不適切サイトの閲覧制限機能、
省電力機能
IO DATA
ETG2-DR
有線ルータ(IO DATA)


価格、口コミ

ETG2-DR

ギガビット対応、
3ポート、
FTPスループット 最大411Mbps、
USB機器を共有できる機能「net.USB」を搭載、
ダイナミックDNSサービス
(「iobb.net」が無料で利用できる)、
IPv6パススルー搭載、
ファイアウォール(SPI)、
不適切サイトの閲覧制限機能、
省電力機能