デジタルTVの録画機能とサーバー機能の比較
− メーカー・機種の特徴と注意点 −

デジタルTVはデジタル放送を単に視聴するだけでなく録画もできる製品が増えてきていますが、 このような録画できるテレビを選択する際は、
 何に録画できるか(HDD/BD/DVD/NAS等)
 録画番組は他の機器でも視聴できるか
 録画番組は他の機器にダビングできるか
など、各メーカー製品・機種の機能や性能などを知っておかないと後で困ることがありますので注意が必要です。

まず、何に録画できるかについては、

  • HDD(ハードディスクドライブ)を内蔵して、これに直接に録画する
  • USB-HDDやLAN-HDDをデジタルTVに外付けして、これに直接に録画する
  • BDレコーダを搭載して、ブルーレイディスクに録画する
  • ホームネットワークに接続されているNAS(LAN接続HDD)に録画する

などがあり、どれを採用しているかはメーカーや機種によって異なっています。
例えば、日立のWoooはほとんどの製品がHDDを内蔵しており、更に、 カセット式HDDのiVDRも搭載して、 これらにデジタル放送を録画する事ができます。また、東芝のREGZAには、 外付けのHDDだけでなくホームネットワークに接続されたNASやパソコンのHDDにもデジタル放送を直接録画できる機種があります。

次に、録画機能があるデジタルTV(録画テレビ)を使用してデジタル放送を録画した場合、 録画番組を再生・視聴する際に気をつけなければならない点があります。例えば、外付けのUSB-HDDに録画した場合には、 録画に用いたデジタルTV以外のデジタルTVにそのUSB-HDDを接続しても、通常は録画番組を視聴することができません。

また、録画した放送番組をホームネットワークを介して他のDLNA/ DTCP-IP対応機器(デジタルTV、ネットワークメディアプレーヤー、 パソコン、他)で再生・視聴するには、デジタルTVがサーバ機能を備えている必要があります。 このサーバ機能とは録画番組をホームネットワーク上に配信できる機能を指していますが、 サーバ機能を持っているデジタルTVは少数に限られています。

更に、録画に用いたHDDの記憶容量が不足してきたら録画番組を他の機器のHDDにダビング(コピー/ムーブ) する必要が発生しますし、BDやDVD等のディスクに残したい場合はBDレコーダーにダビングできる機能を備えているかが問題となります。

以下では、上記したような録画機能やサーバ配信機能・ダビング機能について、 各メーカー及び機種の特徴を比較して紹介します。





デジタルTVの録画機能の比較

デジタル放送をデジタルTVで録画する方法を細かく分類すると、次のような方法に分けることができます。

  1. HDDを内蔵して、これに直接に録画する
  2. BDレコーダを搭載して、ブルーレイディスクに録画する
  3. USB-HDDをUSBケーブルでデジタルTVに接続して、これに直接に録画する
  4. LAN-HDDをLANケーブルでデジタルTVに接続して、これに直接に録画する
  5. カセット式HDDのiVDRを内蔵して、これに直接に録画する
  6. ホームネットワークに接続されているNASに直接録画する
  7. ホームネットワークに接続されているパソコンのHDDに直接録画する

各メーカーのデジタルTVがどのような録画方法を採用しているかをまとめた表を以下に掲載しました。 表中の○印は、該当する録画方法を採用している機種が各メーカーの製品の中にあることを示しています。


各メーカーが採用している録画方法の比較(新製品では異なる場合があります))

録画方法 東芝
REGZA
日立
Wooo
ソニー
BRAVIA
パナソニックVIERA シャープ
AQUOS
内蔵HDDに直接録画
内蔵BDレコーダで録画 (再生)
外付けのUSB-HDDに直接録画 ○(K09)
外付けのLAN-HDDに直接録画
カセット式HDDのiVDRに録画
ホームネットワークを介してNAS、パソコンに直接録画 △(一部のNAS)

外付けのUSB-HDDに録画する場合の注意点
USBケーブルを用いてUSB-HDDをデジタルTVに直接接続して、 これにデジタル放送を録画する場合は注意しなければならない点があります。 それは、各メーカー独自の暗号化方式を用いて、録画に使用した機器固有の暗号化により録画が行われるため、 録画放送を再生・視聴できるのは録画に使用した機器だけになることです。 従って、USB-HDDを他の機器に接続しても、録画されたデジタル放送を再生することができません。
デジタルTVが故障などして使えなくなった場合には、USB-HDDに録画した放送は再生できなくなってしまいますので、 BDレコーダーやNASにダビング(コピー/ムーブ)できるデジタルTVを使用するとか、 BDレコーダーをHDMIケーブルで接続してディスクに保存するとか、何らかの対策を考えておく必要があります。

録画したデジタル放送をNASにダビング
内蔵HDDや外付けHDDに録画したデジタル放送を、ホームネットワークを介してNAS(LAN接続HDD)にダビングできるのは、 東芝REGZA、日立Wooo、シャープAQUOSの一部の製品などです。 詳細は、以下の『サーバー機能の比較』に記載してあります。

録画したデジタル放送をBDレコーダーにダビング
内蔵HDDや外付けHDDに録画したデジタル放送を、ホームネットワークを介してBDレコーダーにダビングできる製品もあります。 例えば、パナソニックVIERAは内蔵HDDに録画した番組をホームネットワークを介してBDレコーダ「DIGA」にダビングできます。 また、シャープのX5/L5シリーズは同社のBDレコーダー「BD-W2000/W1000/W500」に録画番組をダビングできます。




デジタルTVのサーバー機能の比較

デジタルTVに内蔵してあるHDDや外付けのHDDにデジタル放送を録画すると、その機器固有の暗号化が施されるので、 録画番組を視聴できるのは通常は録画に用いたデジタルTVだけになります。 しかし、録画番組を他のクライアント機器でも再生・視聴できるように、 ホームネットワーク上に配信できるサーバ機能を備えている製品があります。
更に、ホームネットワークに接続されているBDレコーダーやNASに配信してダビングできる機能を持っているデジタルTVもあります。
各メーカーがサーバ機能やダビング機能に対してどのように対応しているかを以下に紹介します。

日立Woooの場合
録画した放送番組をホームネットワークを介してクライアント機器に配信するサーバ機能を備えているデジタルTVは他のメーカーでは一部の機種に限られていますが、 日立Woooは下記のように多くの機種がサーバ機能を持っています。
 日立Wooo : S、GP、ZP、XP、HP、WP、UT800、UT770各シリーズ
これらはDLNA Ver.1.5のDMS(Digital Media Server)に対応していますので、 内蔵したHDDに録画したデジタル放送を配信することができ、ホームネットワークに接続されたDLNA・ DTCP-IP対応のクライアント機器で視聴する事ができます。 なお、2012年1月〜2月発売のK09シリーズはHDDを内蔵していませんが、外付けのUSB-HDDに録画した番組を配信できるようになっています。
また、カセット式のHDDであるiVDRを収納するiVDRポケットを搭載している機種は、iVDRに録画した放送も配信することが可能です。
更に、ZP05/XP07/XP05シリーズ、GP08/XP08シリーズ、HP09/K09シリーズはNASへのダビング機能も持っている特徴があります。
Woooの詳細については、「録画テレビ Woooの使い方 ネットワークで配信・再生」のページにまとめてありますのでご覧ください。

ソニーBRAVIAの場合
HX80RシリーズとEX30Rシリーズが、内蔵HDDに録画した放送番組をホームネットワークを介してクライアント機器に配信するサーバ機能を備えています。
BRAVIAの詳細については、「BRAVIAの使い方」のページにまとめてありますのでご覧ください。

東芝REGZAの場合
2011年秋モデルのZ3シリーズ、ZP3シリーズ(偏光3D方式)がサーバ機能を持つようになり、 HDDに録画したデジタル放送をホームネットワークを介してクライアント機器に配信できるようになりました。 また、2012年1月に発売されたタイムシフト再生が可能なZT3シリーズもサーバー機能を備えるようになっています。
これら以前のREGZAの場合はサーバ機能を持っていませんが、 多くの製品では内蔵HDDや外付けHDDに録画した放送をホームネットワークに接続されたDLNA・DTCP-IP対応のNASにダビングして、 このNASから配信できるようにしています。
東芝REGZAのZV500/ZH500シリーズ以降のDLNA・DTCP-IP対応製品がこのようなダビング機能を持っており、 REGZAの大きな特徴となっています。
REGZAの詳細については、「REGZAの使い方」 のページにまとめてありますのでご覧ください。
REGZAからダビングができるNAS製品はIO DATAやBuffaloから発売されており、次のような製品が利用できます。 これらはDLNA及びDTCP-IPに対応していますので、デジタル放送だけでなく、パソコンの動画・静止画・ 音楽も保存して配信することができます。

IO DATA(製品名の数値1.0〜4.0がTB単位の記憶容量を示しています)
 DTCP-IP対応ハイビジョンレコーディングハードディスク RECBOX
    HVL-AV1.0 HVL-AV1.5 HVL-AV2.0 HVL-AV3.0
 DTCP-IP対応 REC-iNスロット搭載ハイビジョンレコーディングハードディスク
    HVL-AVR (容量1.0TB):REC-iNスロット内のHDDを交換可能
 1ドライブ搭載DTCP-IP対応NAS
    HVL1-G1.0T HVL1-G1.5T
 4ドライブ搭載DTCP-IP & RAID対応NAS
    HVL4-G2.0 、HVL4-G4.0T
Buffalo(製品名の数値1.0〜4.0はTB単位、500はGB単位の記憶容量を示しています)
 1ドライブ搭載DTCP-IP対応高速NAS
    LS-V500L LS-V1.0TL LS-V1.5TL LS-V2.0TL
 1ドライブ搭載DTCP-IP対応高速NAS(旧製品)
    LS-XH500L LS-XH1.0TL LS-XH1.5TL LS-XH2.0TL
 2ドライブ搭載RAID対応高速NAS
    LS-WV1.0TL/R1 LS-WV2.0TL/R1 LS-WV3.0TL/R1 LS-WV4.0TL/R1
 2ドライブ搭載RAID対応コンパクトNAS
    LS-WSX500L/R1 LS-WSX1.0TL/R1

NAS製品の詳細や最新製品については、「NASの使い方」のページにまとめてありますので参照してください。

パナソニックVIERAの場合
パナソニックVIERAは、内蔵HDDや外付けのUSB-HDDにデジタル放送を録画できますが、サーバ機能を持っていませんでした。 しかし、2011年11月に発売されたRB3シリーズ(液晶37v/32v型)は、録画した番組を他のDLNA・DTCP-IP機器で再生・視聴できるサーバー機能を備えるようになりました。
ダビング機能については、VIERAは内蔵HDDに録画した番組をホームネットワークに接続されたBDレコーダ「DIGA」にダビングすることができます。
また、2012年3月〜4月発売のVIERA製品(VT5/GT5/DT5/ET5/E5シリーズ)からは、 USB-HDDに録画した番組を配信するサーバー機能やDIGAへのダビング機能を備えるようになっています。 USB-HDDへの録画は標準のDRモードの他に長時間モードも備えています。
詳細は、「VIERA(ビエラ)の使い方 −ネットワーク機能−」のページを参照してください。

シャープAQUOSの場合
シャープAQUOSは、内蔵HDDや外付けのUSB-HDDにデジタル放送を録画できますが、サーバ機能を持っていないため、 録画した番組をホームネットワークを介して他のクライアント機器で再生・視聴することはできませんでした。
しかし、2011年8月に発売されたL5シリーズやX5がサーバー機能を備えるようになり、 更に、シャープのBDレコーダー(BD-W2000/W1000/W500)やIO DATAのNASに録画番組をダビングすることもできます。
詳細は、「AQUOS(アクオス)の使い方 −ネットワーク機能に注目−」のページを参照してください。